プロフィール

フォトアルバム

Kanako Takayama

詳しいプロフィールはウェブサイトにあります。 1996年から2000年まで、GANZ PRIVAT という日記をつけていましたが、トラブル発生により停止。 この度、職員組合の委員になったので、組合の活動と共に、研究者・教員としての活動も期間限定でお知らせすることにしました。 ブログ初心者です! 本ブログは、京都大学職員組合のウェブサイトとは関係なく、委員長が個人で開設しているものです。 公式サイトはこちらです。 ※ 2013年7月からは「副」委員長になりました。

訪問者
アクセスカウンター

« 情報操作 | メイン | 東京に米国の核ミサイルを »

2016年7月14日 (木)

国の要請だけで賃下げ可(よろしい、ならば国賠だ)

ご報告が遅れましたが、大阪高裁第14民事部(森義之裁判官、井上一成裁判官、住山真一郎裁判官)は13日午後、京大賃金訴訟において教職員の訴えを斥ける判決を言い渡しました。
内容は、一審判決(堀内照美裁判官、高松みどり裁判官、渡邊毅裕裁判官)と大枠で同じで、

● 大学にとって、賃下げをせよとする国からの要請は、「実質的にこれを拒む選択肢がなかった」(判決71ページ)

という理由のみで、賃下げの高度の必要性があったとしています。
一審と同じく、財政的必要性が皆無でも賃下げができるとしました。

このブログでも何度も書いていますが、京大は、「復興財源」名目で国から拠出を求められた金額は、全額拠出に応じています。それをふまえても賃下げを回避できる財源のあったことが、一審でも控訴審でも認定されています。

なぜ国から「賃下げ」の要請があると、拒めないことになるのでしょうか。
賃下げを実施しないと大学運営にいかなる支障が生じるのかは、裁判の場でも主張されていません。

団体交渉でも、「政府の要請は拒めない」などとする主張は一度もなされませんでした。
松本総長から教職員に送られたメールは、復興財源の確保だけを賃下げの理由としています。それは払いました。賃下げとは関係がありません。
労働者には、どうして賃下げをするのかを聞く権利もないということです。

また、2004年から、公務員ではなく民間労働法制の適用対象となった教職員について、国の要請だけで賃下げができるとなれば、一般労働法による保護も剥奪されていることになります。
私たちは、ホモ・サケル(法制度の適用を受けないヒト)であるようです。
基本的人権を否認するとは、具体的にはこういうことです。みなさまご承知おきください。

国家公務員でさえ、臨時賃下げのための法律が制定されて初めて、賃下げの対象とされたのです(本当は、人事院勧告がなければ賃下げはできません)。
当然のことながら、国は大学法人に賃下げを強制する権限を持ちません。
法律もないのに、民間労働者の賃金を合意なく引き下げることができるのですか。

ちなみに、京大の収入に占める、国からの運営費交付金の割合は約3割にすぎません。
100億円近い私学助成金を交付されていた私大で、賃下げが実施されましたか?

国が要請すれば拒めないというのが本当なら、労働者は行政訴訟を起こせば勝てるということでしょう。まだ全部の時効は成立していません。
(すでに、新潟大教職員の方々が国を相手どる訴訟を提起してくださっていますが、京大では財政的必要性ゼロという点が違います。)

Photo昨日、原告団声明 を公表しましたので、よろしければご覧ください。

それ以外にも、

● 京大の俸給表が国家公務員に準じていることは、国家公務員で臨時賃下げが行われたときに京大もそれに従うという意味ではない、との了解で労使双方に争いはなかった、また、
● 給与削減率の計算式が不合理なものであったことは、裁判で労使双方が認めている

にもかかわらず、裁判所は反対のことを認定しました。

あと、労働法学者と行政法学者(と民訴法学者と憲法学者)には、こういう判決によって、自分たちの存在意義が否定されているとの認識を持っていただきたいです。
法律に基づかない裁判が行われているからです。

国家公務員の賃下げについてILOが示している態度からすると、公務員でない私たちの権利は、ILOによってさらに重視されるはずです。
国際人権規約もあります。刑事告訴もあります。
多方面からの対策を検討していきたいと思います。

私は、裁判所全般を批判しているわけではありません。
日常一緒に仕事をさせていただいている、大阪刑事実務研究会の裁判官の先生方は、素晴らしく優秀で、お人柄も敬愛できる方ばかりです。

160713_title私は授業のため欠席でした。全国からお集まりくださったみなさまに感謝いたします。

***********

7/13 大阪インクジウム
満席でした。どうもありがとうございました!

13071602

***********

7/7 の講演のレポートを掲載していただきました。