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Kanako Takayama

詳しいプロフィールはウェブサイトにあります。 1996年から2000年まで、GANZ PRIVAT という日記をつけていましたが、トラブル発生により停止。 この度、職員組合の委員になったので、組合の活動と共に、研究者・教員としての活動も期間限定でお知らせすることにしました。 ブログ初心者です! 本ブログは、京都大学職員組合のウェブサイトとは関係なく、委員長が個人で開設しているものです。 公式サイトはこちらです。 ※ 2013年7月からは「副」委員長になりました。

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2015年8月24日 (月)

私はだまされている

8/22の MIDDLEs 国会前抗議行動での私のスピーチ原稿です。
(実際の読み上げはこのとおりにできなかった部分もあります。)

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 みなさんこんばんは、「学者の会」呼びかけ人の高山佳奈子です。47歳で、京都大学で刑法・国際刑事法を研究しております。
 私は7月31日に砂防会館で、ネトウヨの人達にも呼びかけるスピーチをしました。その後、あるネトウヨの方のネットへの書き込みを見ましたら、「俺たちは社会のボトムズだ」と書いてあって、本当に切ない気持ちになりました。
 しかし今日は、MIDDLEsのこれからの運動を考えるにあたってさらに重要だと思うことを話します。すなわち、「見ざる、聞かざる、言わざる」状態に自らを落とし込んでいる、私たちの同僚に向かって呼びかけたいと思います。

 勤労者の中心であるミドルズ世代は、今、大きく3つの思い違いをしています。

 第1の誤解は、「新聞やTVの報道は右寄りから左寄りまであるが、どこか中間的なところに真実がある」という誤解です。正しくは、「すべてのマスコミが情報操作の対象となっている」です。私が、右左関係なくマスコミがおかしいと決定的に認識したのは、京大の総長選挙廃止問題が持ち上がっていたときでした。大新聞の中で右から2番目と目されている新聞と、左から2番目と目されている新聞の両方から、「京大が学長を国際公募する」という記事が出ました。他の新聞もそれと類似の記事を出しました。が、これは真っ赤な嘘(注1)。また同じく学長選挙の前に全国ネットのTVでも、学長の独裁を批判する番組が計画され、私たちも取材を受けましたが、その計画は上部から握りつぶされ、代わりに学長のワンマン采配を宣伝する内容が放映されました(注2)。次に、私は経済産業省の産業構造審議会の委員をしているのですが、産業構造審議会と最も関連の深い大新聞が、私が言ってもいないことを私の発言として報道し、審議会で決まってもいないことを決まったように報道しました。私は驚いて経産省に問い合わせましたら、やはり、「そのような事実はない」との返事でした(注3)。さらに、いま大手紙の中でいちばんリベラルだと思われている新聞の記者さんが私の京大や裁判での活動についてインタビューを企画しましたが(注4)、これも握りつぶされました。

 比較的自由に報道を行っていると思われるのは地方紙ですが、これも情報操作の影響を免れていません。一例を挙げましょう。8月2日に渋谷で高校生デモがありましたが、全国の地方新聞に記事を配信しているある会社は、参加人数を300名とする虚偽の情報を流したため、これが全国の新聞に掲載されました。私は、これは意図的な誤報であると確信します。おそらく、文句を言われたら「0が1つ脱落していました」と訂正するつもりだったのでしょう。しかし、ある市民がツイッターに、「それは第1グループだけ見て全部だと早合点してしまったのだろう」と善意の書き込みをしましたため、高校生が記事の訂正を申し入れたときに、そのような言い訳が採用されました(注5)。このデモに参加しておりました私は、「嘘をつくな」と思いました。スタート地点にもう3000人いましたから、間違えるはずがないのです。

 要するに、意図的に虚偽の情報が流される場合もあれば、政府にとって都合の悪い情報が隠蔽されている場合もあるわけです。

 第2の誤解は、「政治家がいくら馬鹿になっても官僚機構は安定しているからそう大きな変動は起きない」という誤解です。確かに、20年前はそうだったかもしれません。しかし今や、官僚は待遇が悪すぎて(注6)良い人材が集まらなくなり、その専門的能力は著しく低下しております(注7)。私は10年以上霞ヶ関での仕事もしていてそのように思います。しかも、官僚の一切の人事権は、私ども審議会の委員の選任も含めてすべて大臣が握っています。すでに与党は、内閣法制局長の首のすげ替えによって法的安定性を無視し、安保法制を通そうとしているだけでなく、他の上級の官僚人事についても介入するようになっているのです。都合の悪い人間は左遷することができます。官僚バッシングをしていればすむ時代はもうとっくに終わっています。黒を白と言うことが大手を振ってまかり通ろうとする今、もはや官僚機構には何の権力も残されていないといっても過言ではありません。

 第3の誤解は、「インターネット上の情報は、客観的かつ中立的に流通している」という誤解です。これは簡単に確かめることができます。ある検索サービスで「高山佳奈子 京都大学」と入力して検索すると、765万件がヒットするのですが、別のサービスでは同じキーワードで5080件しかヒットしません。その5080件のサービスの英語版のページで同じ日本語のキーワードで検索すると21000件がヒットします。ツイートを検索するサービスでも、政府に都合の悪い書き込みはすぐに消滅し、ボトムズの方々の書き込みばかりが長く残っています。SELADsが製作した「6分でわかる安保法制」という動画は、数回にわたって削除されることがありましたが、削除した会社は削除の理由をいまだに説明していません(注8)

 では一体私たちは何を信頼すればよいのでしょうか? できるだけ多様なソースにあたり、取捨選択することも大切だろうと思います。しかし何より、町に出て、ここに来て、あるいは地域の方々と会って話して、自分の目で耳で確かめることに最も高い価値があります。それができない場合は、それに準じて、今ここに来てくださっている、現場の情報をできるだけそのまま伝えようとする中継を見てみることです。自分の声でほかの人にじかに伝える、これは本当に貴いことです。MIDDLEs街宣チームやOLDs、ママの会の方々が、少人数でも町に立つ姿は美しいです。私もできる限り訴えて行きたいと思います。一緒にがんばりましょう。

(注1) 本ブログ2014年3月の各記事を参照。 
(注2) 高山が京大サロンにてインタビューを受けたのは2014年7月10日、番組の放映は同8月3日。
(注3) 2014年11月24日および同28日。高山と官庁との間の確認のやりとりが行われたのは同26日。
(注4) 2014年7月14日。
(注5) Gohoo!による経緯説明参照。
(注6) 国家公務員はたとえば東日本大震災の復興財源確保を名目として2012年度・2013年度の24か月に平均7.8%の賃金カットを受けており、その金額は懲戒処分に相当する。しかも被災地の公務員や被災者である公務員も例外なく対象とされた。2013年10月31日の会計検査院報告書「東日本大震災からの復興等に対する事業の実施状況等に関する会計検査の結果について」によれば、2012年度に被災地と直接関係のない事業に振り向けられていた予算額が、復興特別会計のうち約3000億円、また復興予算で造成された「全国向け事業に係る基金」のうち1兆円以上に上っていた。国公労連はこのような措置は憲法に違反するとして訴訟に取り組んでいる。
そこでの梅原英治教授の意見書は、国家公務員給与削減が復興財源にとって全額不要であったと結論づけている。さらに、2004年の法人化により公務員の地位を剥奪され、賃金水準が国家公務員よりさらに低い国立大学教職員も、2012年度から2013年度にかけて同意のない賃下げを強行された。全大教の支援を受けて、高専協議会、高エネルギー加速器研究機構、福岡教育大学、山形大学、富山大学、京都大学、新潟大学、高知大学、福井大学、電気通信大学、和歌山大学の教職員が訴訟を起こしている。いずれに関してもマスコミの報道はほとんどない。
(注7) むろん、少子化によりあらゆる段階での競争が弱化しているのも要因である。また現在20代半ばまでの世代はいわゆる「ゆとり教育」の本格的実施を受けている。
(注8) キャンペーン「安保法制を説明する動画『6分でわかる安保法制』の削除理由について公式な説明を求めます。」

<参考>
・ 2015年7月20日学士会館でのスピーチ「国際刑事法から見た安保法制」 
 (IWJさんの文字起こし)
・ 2015年7月31日砂防会館でのスピーチ「ネトウヨのみなさんへ」
 (おしどりケンさんの文字起こし)

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情報操作を受けているのに「自分はだまされていない」と思っている人が極めて多いのは、戦前・戦中の日本やナチス政権下のドイツと同じです。

11081502
首相は訪中をやめたそうですが私は招へいされて行って来ます。
どちらが積極的平和主義?

私もわずかの情報しか手に入れることができません。特定秘密保護法もあります(担当官が亡くなりました)。
謙虚になりましょう。

信頼できる情報を少しでも得るための1つの方法は、全国ネットを持っている労働組合に加入することだと思います。組合のネットワークは現場の情報と人脈を蓄積しています。
中の人と外の人では、職場内部の情勢についても、全国の情勢についても、はっきり申し上げて、持っている情報量が比べものになりません。

黙ってナチスにくみした一般市民のようにならないために、できることをしてください。
たとえば

・ 署名活動に参加しましょう。
「安全保障関連法案に反対する学者の会」はまだ署名を受け付けています。一般市民だけでなく研究者も氏名非公表にできます。

・ 学生・生徒などのグループへの寄付をお願いします。
各組織がウェブサイトに寄付の方法を公表しています。
「学者の会」や MIDDLEs も寄付を受け付けていますが、必要度は若者のほうが高いです。
独立系メディアへの寄付にも大きな意義があります。

※ 8/27追記
この動画の①3分00秒から4分00秒までの内容、②それ以降の内容、③5分44秒以降にこの人々がどことどこで何と何をしたかが、マスメディアやインターネットでどのように報道されているかを試しにご覧になるとよいと思います。

関連する動画(IWJ)Nhk83978672 9/3まで