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Kanako Takayama

詳しいプロフィールはウェブサイトにあります。 1996年から2000年まで、GANZ PRIVAT という日記をつけていましたが、トラブル発生により停止。 この度、職員組合の委員になったので、組合の活動と共に、研究者・教員としての活動も期間限定でお知らせすることにしました。 ブログ初心者です! 本ブログは、京都大学職員組合のウェブサイトとは関係なく、委員長が個人で開設しているものです。 公式サイトはこちらです。 ※ 2013年7月からは「副」委員長になりました。

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2015年2月

2015年2月17日 (火)

NOON免訴でもクラブは自由化

2月4日にインターネットで配信された、
DOMMUNE Talking about 風営法!! 第6章 が視聴可能になりました sign01

▲ 開始は1時間56分20秒くらいからで、3時間58分頃まで続きます。
  私が出ているのは3時間20分頃からの部分になります。

NOON裁判や法改正の動向が前半部分でも解説されていますので、ぜひ全部ご覧ください(出演者: 西川弁護団長、被告人金光氏、作曲家大友良英氏、音楽ライター磯部涼氏、Salsa演奏家・ラテンアメリカ史家岩村健二郎氏、秋元司議員、憲法学者新井誠氏、高山)。

被告人の金光さんが作成された、風営法関連年表はこちらにあります(DJ MIZUTAさんのブログもぜひ併せてご参照ください)。

さて、このトークの中で、金光さんが「無罪でなく免訴になってしまうのでは」と懸念されている場面がありますので、これについて専門の観点から解説させていただきます。

刑法6条に「犯罪後の法律によって刑の変更があったときは、その軽いものによる。」という規定があります。
これは、法改正によって、かつて犯罪であったものが犯罪でなくなったり、重罰を科されていた罪の刑が軽くなったりしたときは、より合理的な新しい法律を適用すべきだという「新法は旧法に優先する」の原則を含んだ規定です。
そして、刑事訴訟法337条には、次のように規定されています。

 「左の場合には、判決で免訴の言渡をしなければならない。
   2号  犯罪後の法令により刑が廃止されたとき。」
これによりますと、たとえば、
 姦通罪で裁判にかけられた → 姦通罪が廃止された → 免訴判決
ということになります。そのため、金光さんは「無罪でなくなってしまうのでは」と心配しておられるわけです。

確かに、最高裁は上告に対する判断を出す時期を遅らせることができます。
たとえば、ロッキード事件判決は、故・田中角栄氏が亡くなるまで引き延ばされたといううわさがあります。
しかし、このような運用は、迅速な裁判を受ける権利に反し、憲法37条1項に照らしても、国際人権規約(B規約)9条3項に照らしても問題があります。

もっとも、NOON一審判決が依拠した堀越事件最高裁無罪判決(最判平成24年12月7日)は、高裁判決から2年以上かかっています。
本格的な憲法判断を展開する場合には、これくらいの期間が必要であると見られます。
しかし、NOON事件の場合、一審判決も二審判決も、立ち入った憲法判断は行っていません。
そこで、最高裁では
● 早期に無罪判断(上告棄却決定)が出されるか、
● 時間がかかって、風営法のダンス営業規制について本格的な憲法判断が出されるか
のいずれかになると思われます。

以上は前置きの説明です。ここからが問題です。

上記 DOMMUNE で議論されていますように、現在、風営法改正案によって、

従来の「ダンス営業」(2条1項3号)規制が、新たな「特定遊興飲食店」規制として維持される

のではないかが懸念の対象となっています。
もしそのような改正が行われれば、金光さんは免訴にはなりません
刑事訴訟法にいう「刑が廃止されたとき」にあたらないことになるからです。

たとえば、

 (1)尊属殺人罪を行って裁判にかけられた → 尊属殺人罪が廃止された

 (2)危険運転致死罪を行って裁判にかけられた → 条文が刑法から削除され、別の法律に移った

これらのいずれの場合にも、免訴にはならないわけです。
(1)は通常の殺人罪による有罪判決、(2)は危険運転致死罪による有罪判決、となります(最決昭和31年12月25日刑集10巻12号1701頁など参照)。

したがって、旧3号営業規制が単に新「特定遊興飲食店」規制に移行するのであれば、
● 無許可営業罪で有罪となるか、
● 無許可営業罪で無罪となるか
のいずれかの可能性しかないと思われます。

確かに、新「特定遊興飲食店」は、深夜0時以降に営業するものをいうので、NOONの公訴事実(21時台の営業)については、「刑が廃止されたとき」にあたるように見えます。
しかし、罰則は改正前の現行法でも49条の無許可営業罪、改正案の新法でも49条の無許可営業罪です。
そして、改正法案の附則4条には、 「この法律(附則第1条第1号に掲げる規定については、当該規定)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。」 と規定されているのです。

もちろん、このような条項を置いたからといって、処罰価値のなくなった行為を処罰し続けられるわけではありません。 附則は、法改正後も犯罪として評価される行為について、旧条文を適用する趣旨であると解されます。
そうだとすると結局、有罪・無罪の判断が出されるのか、免訴となるのかの分かれ目の決め手は、処罰価値についての評価に変化があったかどうかだということになります(有罪例として最決平成7年6月21日裁判集刑265号863頁、免訴例として最判昭和36年7月14日刑集15巻7号1085頁など)。

つまり「免訴」判決は、処罰価値の点で
「ダンス営業」規制が「特定遊興飲食店」規制に移行しない場合
にしか出ないことになります。
上の姦通罪の例に示されますように、免訴判決は、
かつては処罰すべきだと考えられた行為が、現在では処罰価値を失っている場合
に出されるものなのです。

旧3号営業が新「特定遊興飲食店」に含まれるのであれば、相違は営業時間にしかありません。そして、もともと「深夜酒類提供飲食店」には届出制の規制が及んでいるのですから、新規制(許可制)がこれにつけ加えるのは「遊興」要素のみです。
「ダンス営業」について刑が廃止されたのであれば、刑が廃止されていない「遊興」が「ダンス」と同じ意味では筋が通らないことになります。
つまり、NOON事件で免訴判決が出た場合、
旧3号営業が、「特定遊興飲食店」として規制されてはならない
趣旨を、最高裁が実質的に認めたことになるでしょう。

2015年2月16日 (月)

子どもに残酷画像を見せないで

インターネットで、イスラム国などが公表している残酷な映像が閲覧できるようになっています。

平和目的や問題提起の目的で拡散している方々も多いと思いますが、
そのような目的でも、態様によっては、各自治体の青少年保護条例違反の犯罪となることがあります。

イラクでフセイン元大統領が処刑された際には、子どもが縊死する事件も世界で複数発生しています。

インターネット上の行為の場合、行為者のいる場所だけでなく、被害児童のいる場所の法律や条例が、すべて適用されます。

くれぐれもご注意くださいsign01

2015年2月 5日 (木)

日本警察はクラブを取り締まっている場合か

1/21に大阪高裁が出したNOON事件無罪判決に対し、検察は期限ぎりぎりの2/4夕方になって上告しました。

もはや、「ダンスと名のつくものは全部規制対象」という検察の主張を最高裁が認めない限り、結論が覆ることはありません。
そのような主張は、従前の最高裁の判例に明らかに反し、容れられる余地はありません

法改正の議論においてでもそうですが、なぜどうしても規制を維持しようとする動きがあるのか。

それは、規制を維持することによって、許認可にかかわる仕事を確保するため、
すなわち、いわば、

警察の天下り先を確保するため

です。

しかし、そのような理由で、表現の自由営業の自由といった基本的人権を奪うことは不当です。
天下りができなくなって食べていけない方々が出るのであれば、その生活を保障する施策を実施すればよいのです。

   天下り < 基本的人権

です。
一般市民の間から出されている意見において、今回の検察側上告を支持するものは1つもありません。